求人を出しても応募が来ないとき、どこから見直すか
応募が来ないとき、多くの会社がまず求人票の文章を直します。ところが書き直しても反応が変わらないことがある。理由は単純で、止まっている場所が求人票ではなかったからです。先に切り分けてください。
どこで止まっているかを切り分ける
求人は、表示される、詳細を見られる、応募される、面接に来る、という段階を踏みます。どの段階で落ちているかによって、直すべき場所がまったく違います。
ほとんどの媒体は、表示された回数と詳細を見られた回数を出してくれます。ハローワークに出しているなら、窓口で紹介の状況を聞くことができます。感覚ではなく、この数字から始めてください。
表示が少ないときは中身を直しても意味がない
そもそも求職者の画面に出ていないなら、本文をどれだけ良くしても届きません。原因は職種名の付け方か、絞り込みの条件から外れていることのどちらかです。
職種名を社内の呼び方のまま出している会社は多いはずです。求職者は自分が知っている言葉で検索するので、社内でしか通じない名前では検索に引っかかりません。同じ仕事を他社がどう呼んでいるかを、実際に検索して確かめてください。
一覧で見られているのは三つだけ
詳細を見てもらえないなら、一覧に出る部分で選ばれていません。求職者が一覧で見ているのは、職種名、勤務地、そして給与や勤務時間の条件です。本文は読まれる前の段階です。
ここで効くのは、条件を具体的に書くことです。勤務時間を「応相談」とだけ書くと、求職者は自分の生活に合うかを判断できず、判断できない求人は飛ばされます。実際の形を書いて、そのうえで相談に応じると書いてください。
本文で伝わっていないのは仕事の中身
詳細まで見られているのに応募が無い場合、本文か条件のどちらかで止まっています。本文の問題として多いのが、業務内容が箇条書きの単語で終わっていることです。
「接客」「清掃」「事務作業」と並べても、応募する側は自分がその職場で何をしているかを想像できません。朝出社してから帰るまでの流れとして書くと、同じ内容でも伝わり方が変わります。忙しい時間帯と落ち着く時間帯があるなら、それも書いてください。隠して入社してもらっても、辞める理由になるだけです。
直す順番
全部を一度に変えると、何が効いたのか分からなくなります。上から順に一つずつ直して、反応を見てください。
誰と働くかが書かれていない
求人票で意外と抜けているのが、職場に誰がいるかです。何人の職場なのか、年齢の幅はどうか、教えてくれる人がいるのか。応募する側は、ここが分からないと不安のまま応募することになります。
とくに小さい会社では、この情報が効きます。大きな会社なら「同期がいるだろう」と想像できますが、数人の職場では想像がつきません。一人で放り込まれるのか、しばらく一緒に動く人がいるのか。それを書くだけで応募のハードルが下がります。
逆に、これを書かずに人が集まらないまま条件を上げていくと、費用だけが増えます。書けることを書き切ってから、条件の話に進んでください。
掲載を止めるタイミングを決める
反応が無い求人を出しっぱなしにしている会社は多いのですが、これは損をしています。同じ求人が長く出ていると、求職者からは「ずっと人が足りていない職場」に見えます。理由を想像されて、応募を避けられます。
先に期限を決めてください。この期間で反応が無ければ止めて直す、という形にすると、直す機会が定期的に来ます。出したまま忘れている状態がいちばん良くありません。
条件が地域の水準から離れていないか
書き方をどう工夫しても、条件が地域の相場から離れていれば応募は来ません。同じ地域の同じ職種の求人を並べて、自社がどのあたりにいるかを一度確かめてください。
給与だけの話ではありません。勤務時間の融通、休みの取りやすさ、通勤のしやすさも比較されています。給与で並べないなら、他のどこで並ぶのかを決める必要があります。何も上回っていない状態で応募を待つのは、時間を使うだけです。
なお、地域別の最低賃金は毎年見直されます。自社の条件がその水準を満たしているかは、記事末尾の公式ページで確認してください。ここは満たしていないと採用の話以前の問題になります。
応募が来てからの速さで決まることがある
応募はあるのに面接に来ない場合、原因は求人票ではありません。連絡までの時間です。求職者は複数の会社に同時に応募していて、先に日程が決まったところから面接に行きます。
誰が応募を受けて、何時間以内に返すのかを決めてください。社長が現場に出ている会社では、応募の通知に気づくのが翌日になることがあります。それだけで人が取れなくなります。返す内容は短くて構いません。日程の候補を並べて送るだけで、他社より先に会えます。
採用できたあとに確認すること
応募が来て採用まで進んだら、どこを見て応募したのかを本人に聞いてください。この一言で、次の求人の精度が変わります。自分たちが力を入れて書いた部分と、実際に刺さった部分は一致しないことが多いからです。
聞くのは入社してしばらく経ってからでも構いませんが、時間が空くと忘れられます。初日か、遅くとも最初の一週間のうちに聞いてください。応募したときの気持ちは、働き始めると上書きされます。
それでも来ないときに考えること
ここまで全部やっても応募が来ないことはあります。そのときは、募集している仕事の形そのものを疑ってください。その時間帯にその条件で働ける人が、その地域にどれだけいるか。母数が小さければ、書き方では届きません。
勤務時間を分割して二人で埋める、一部を外注に出す、業務のやり方を変えて必要な人手を減らす。採用以外の手も並べたうえで、それでも採用がいちばん早いかを考えてください。求人を出し続けること自体が目的になっていると、この判断ができなくなります。
一次ソース(公式ページ)
- 厚生労働省 — ハローワークインターネットサービス
- 厚生労働省 — 地域別最低賃金の全国一覧
- e-Gov法令検索 — 職業安定法
- 厚生労働省 — モデル就業規則
- e-Gov法令検索 — 最低賃金法
- 厚生労働省 — パートタイム・有期雇用労働法
- e-Gov法令検索 — 労働基準法
制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。
よくある質問
求人票を書き直せば応募は増えますか
止まっている場所が求人票なら増えます。そもそも表示されていない、条件が地域の相場と合っていない場合は、書き方を変えても反応は変わりません。まず、表示された回数と応募の数を分けて確認してください。
給与を上げないと応募は来ませんか
給与だけが理由とは限りません。勤務時間の融通、休みの取りやすさ、通勤のしやすさで動く応募者もいます。ただし、条件が地域の水準から離れていると他の要素では届きません。地域別の最低賃金は記事末尾の公式ページで確認できます。
同じ求人をずっと出し続けても大丈夫ですか
長く出したままの求人は、応募者から「ずっと人が足りない職場」と受け取られることがあります。反応が無いまま放置せず、止めて直してから出し直すほうが結果につながります。