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建設業で人がすぐ辞める、原因はどこにあるか

公開 2026-09-04 · 採用・求人

「採用してもすぐ辞める」とまとめてしまうと、手の打ち方が決まりません。入って数日で来なくなった人と、三か月働いてから辞めた人は、辞めた理由がまったく別の場所にあります。まず辞めた時期を並べ、そこから原因を絞る順番で見ていきます。

「すぐ辞める」を辞めた時期で分ける

辞めた時期から原因を絞る入って数日で来なくなったか → はい: 受け入れの段取りと初日の担当者を先に見る。一か月前後で辞めたか → はい: 仕事の教え方と、面倒を見る人の割り当てを見る。給与を数回受け取ってから辞めたか → はい: 賃金の説明と休日の実態が、求人票と合っているか見る。半年以上続いた人が辞めたか → はい: 処遇と、この先どうなるかの見通しの話として扱う。いずれにも当てはまらない場合: 時期がばらけているなら、求人票と労働条件の書面の突き合わせから始める辞めた時期から原因を絞る入って数日で来なくなったかはい受け入れの段取りと初日の担当者を先に見るいいえ一か月前後で辞めたかはい仕事の教え方と、面倒を見る人の割り当てを見るいいえ給与を数回受け取ってから辞めたかはい賃金の説明と休日の実態が、求人票と合っているか見るいいえ半年以上続いた人が辞めたかはい処遇と、この先どうなるかの見通しの話として扱ういいえ時期がばらけているなら、求人票と労働条件の書面の突き合わせから始める

紙を一枚出して、ここ一年で辞めた人の名前、入社日、最終出勤日を並べてください。数人分あれば十分です。これをやらずに対策を考えると、だいたい「面接をもっと厳しくする」という結論になり、翌年も同じことが起きます。時期が偏っているかどうかが、原因の在り処を教えてくれます。

入って数日で消えるのは、ほぼ受け入れ側の段取りです。一か月前後なら仕事の教え方と、誰が面倒を見ていたか。三か月前後で辞めるのは、給与を二回三回受け取って、聞いていた話と実際の手取りや休みが合わないと分かったとき。半年以上続いた人が辞めるのは、この先どうなるのかが見えないからで、これはもう採用の問題ではなく処遇と将来の話になります。混ぜて考えると全部外れます。

求人票と現場が食い違っていないか

建設業でいちばん多い食い違いは、勤務地と拘束時間です。求人票に事務所の住所しか書いていないのに、実際は毎朝別の現場に集合し、遠方に行く週があり、資材を積んで戻ると事務所着が遅くなる。本人の頭の中では事務所に通う仕事だったのに、初週で別物だと気づく。これは嘘をついたつもりがなくても「騙された」と受け取られます。

だから求人票には、現場が変わる前提、集合場所の決め方、直行直帰があるかないか、遠方現場の頻度感を書いておく。応募が減るのを怖がって曖昧にすると、応募は来ても定着しません。求人で明示しなければならない項目は法律で決まっていて、記事末尾の公式ページで確認できます。書面で渡した条件と現場の実態が違うと、辞める時に条件の話に戻って揉めます。

賃金の中身が、本人の計算と合っているか

日給で採った人が最初の給与で辞めるパターンは、稼働日数を計算に入れていないことが原因です。雨で現場が止まった週があれば、本人が面接で想像していた月の手取りには届きません。さらに社会保険に入れば初回の給与から控除が入ります。何も説明していないと、本人は「約束より少ない」と受け取ります。

面接で月にいくらという話をしたなら、その前提を口で終わらせないこと。残業込みの数字なのか、繁忙期の数字なのか、天候で変わる分はどれくらいか。移動時間や朝の積み込みを賃金にどう入れているかも、先に決めて伝えます。近隣地域の最低賃金は毎年変わるので、日給を時間換算したときに下回っていないかは、記事末尾の一覧で毎年見直してください。ここを放置していると、賃金以外を全部直しても人は残りません。

入って数日、誰がその人を見ていたか

初日に現場へ連れて行き、班長に「頼む」と言って離れる。班長は自分の段取りで手一杯なので、新人は昼まで立っています。誰に何を聞いていいか分からないまま一日が終わり、翌朝から来なくなる。数日で辞めた人の背景は、ほぼこれです。仕事がきついから辞めたのではなく、居場所がないから辞めています。

初日に必要なものは決まっているので、紙一枚にして毎回同じものを渡すだけで、この理由の離職は減ります。

最後の項目がいちばん効きます。「困ったら誰か」が人名で決まっているかどうかで、初週の空気が変わります。

怒られ方の問題か、教え方の問題か

現場では危険が絡むので声が大きくなります。それ自体を問題にすると仕事が回りません。分けて見るべきなのは、危険を止めるための大声と、できないことへの苛立ちをぶつける言葉です。後者が続くと、本人は覚える前に自分を「向いていない」と結論づけて辞めます。

教え方も見てください。「そこ持って」「違う」だけで通じるのは、経験者同士だからです。未経験者には、何のためにその順番でやるのかを一言添えないと再現できず、翌日また同じことを言われる。これが数日続くと本人は伸びる見込みを失います。班長にその余裕がないなら、同時に受け入れる人数を減らすほうが早い。二人同時に入れて二人辞めるより、一人ずつのほうが結果的に残ります。

就業規則と実際の運用がずれていないか

就業規則を作った当時から現場のやり方が変わっているのに、規則だけ古いままの会社は多いです。休日の数え方、時間外の扱い、賃金の締めと支払日、有給の申請先、辞めるときの手続き。ここが実態と違うと、辞める段階で「規則ではこうなっている」と言われて対応できなくなります。

特に建設業は、天候による中止や現場移動で労働時間の扱いが会社ごとに違います。規則に書いていないやり方を運用していると、説明が人によってばらつき、新人には不信感として残ります。まず休日と時間外、退職の手続きだけでも実態に合わせて直す。ひな型は記事末尾の公式ページにあるので、それと自社の規則を並べて、書いていない項目を拾うのが早いです。

切り分けた後、どこから直すか

手を付ける順番1. 辞めた人を入社日と最終出勤日で並べる(数人分でよい。時期が偏っているかを見る)。2. 初日の段取りを紙一枚にする(集合場所、貸与品、昼食、聞く相手の名前)。3. 求人票と労働条件の書面を突き合わせる(現場が変わる前提と拘束時間を書き直す)。4. 賃金の前提を書面で渡す(稼働日数や天候で変わる分を先に伝える)。5. 教育担当を人名で決める(班長の手が空かないなら受け入れ人数を減らす)。6. 就業規則を実態に合わせて直す(休日・時間外・退職の手続きから着手する)手を付ける順番1辞めた人を入社日と最終出勤日で並べる数人分でよい。時期が偏っているかを見る2初日の段取りを紙一枚にする集合場所、貸与品、昼食、聞く相手の名前3求人票と労働条件の書面を突き合わせる現場が変わる前提と拘束時間を書き直す4賃金の前提を書面で渡す稼働日数や天候で変わる分を先に伝える5教育担当を人名で決める班長の手が空かないなら受け入れ人数を減らす6就業規則を実態に合わせて直す休日・時間外・退職の手続きから着手する

直す順番は、費用がかからず今週できるものからです。初日の段取りを紙一枚にするのは今日できます。求人票と労働条件の書面を突き合わせるのも、印刷して赤を入れるだけです。賃金の前提を書面で渡すのも同じ。ここまでで、数日〜一か月の離職はかなり止まります。

賃金水準そのものの見直しと就業規則の改定は、後ろに置きます。金と時間がかかるうえ、前の四つを直さないまま賃上げしても、辞める人は同じ理由で辞めます。逆に、三か月以上働いた人ばかりが辞めているなら順番は入れ替わり、処遇と将来の話が先です。どこに偏っているかは、最初に作った名前と日付の一覧が示してくれます。

一次ソース(公式ページ)

制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。

よくある質問

辞めた本人に理由を聞いても、当たり障りのない答えしか返ってきません。

最終出勤日の当日に社長が聞くと、まず本音は出ません。数日置いてから、事務担当や年の近い先輩が電話で「どこが一番きつかったか」と場面で聞くほうが具体的な話が出ます。「人間関係」「体力的に」といった言葉で終わったら、朝のどの時間か、誰と組んでいたときか、と場面まで下げて聞き直してください。聞き取った内容は短くても文字で残し、次に辞めた人の話と並べて読むと共通点が見えます。

試用期間中に辞められたとき、事務手続きで漏れやすいものはありますか。

在籍が短くても、社会保険や雇用保険の資格取得届を出していれば喪失の手続きが必要で、健康保険証の回収も忘れられがちです。給与は働いた分の支払いが必要で、貸与した作業服や保護具、鍵の返却も退職時にまとめて確認しておくと後から連絡する手間が消えます。雇用関係の助成金を申請中だと在籍期間が要件に絡む場合があるので、該当しそうなら申請前の書類を先に見返してください。

求人を出し直すとき、条件をどこまで書き換えていいですか。

求人内容そのものは差し替えられますが、選考中の応募者に当初示した条件を変える場合は、変更の内容をその人に明示する義務があります。口頭で「実は現場が遠い」と伝えるだけでは後で食い違うので、書面で渡してください。明示が必要な項目の範囲は記事末尾の公式ページで確認できます。