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返済が苦しい。銀行に行く前に用意しておくもの

公開 2026-08-16 · 資金繰り・融資

返済が重い。来月は払えるが再来月が見えない。この段階で一番やってはいけないのは、黙っていることです。返済を止めるという相談は制度として想定されていて、話す先も手順もあります。延滞してから話すのと、延滞する前に話すのとでは、扱いがまったく違います。そして通るかどうかは、頼み方ではなく持っていく資料で決まります。

先に知っておくべき、時間の使い方

資金が細っていく局面で最も貴重なのは時間です。手元の現金が尽きてから相談に行くと、選べる手段がほとんど残っていません。逆に、まだ数か月の余裕があるうちなら、返済の組み替えも、支払いの調整も、事業そのものの見直しも選べます。だから「苦しくなってから」ではなく、資金繰り表で底が見えた時点で動いてください。

もう一つ、返済を止める相談の前にやることがあります。売掛金の回収漏れ、過剰な在庫、使っていない設備、成果の出ていない固定費。ここに手を付けずに相談へ行くと、まずそれをやってくださいと言われて持ち帰ることになります。自分でやれることをやったうえで足りない、という順番でないと話が始まりません。

何を相談するのか

相談の中身は「借金を減らしてください」ではありません。返済の期間や金額を組み替えて、いまの事業が生み出せる範囲に返済を収める、という話です。元金の返済をいったん止めて利息だけにする、返済期間を延ばして月々を軽くする、複数の借入をまとめる。どれも残高が減るわけではなく、払い方を変えるだけです。

この点は最初に理解しておいてください。返済が軽くなるのは一時的な措置で、その間に立て直すことが前提になっています。だから相手が見るのは、いま苦しいという事実ではなく、期間を区切って返済を軽くしたら立て直せるのか、という見通しです。そこを示す資料が要ります。

持っていくもの

相談に行く前に揃える1. 直近の試算表(月次を締めていないなら、ここから始める)。2. 資金繰り表(実績と予定)(いつ、いくら足りなくなるのかを具体的に示す)。3. 借入の一覧(金融機関ごとの残高・毎月の返済額・保証の有無)。4. 苦しくなった理由の説明(売上減か、原価上昇か、投資の失敗か。特定する)。5. 自分でやった対策と、その結果(経費削減・回収強化・在庫圧縮。着手済みのものを書く)。6. これからの計画と、返済に回せる額(期間を区切って、何をどこまで戻すのか)相談に行く前に揃える1直近の試算表月次を締めていないなら、ここから始める2資金繰り表(実績と予定)いつ、いくら足りなくなるのかを具体的に示す3借入の一覧金融機関ごとの残高・毎月の返済額・保証の有無4苦しくなった理由の説明売上減か、原価上昇か、投資の失敗か。特定する5自分でやった対策と、その結果経費削減・回収強化・在庫圧縮。着手済みのものを書く6これからの計画と、返済に回せる額期間を区切って、何をどこまで戻すのか

この六つが揃っていない状態で行くと、その場では何も決まりません。特に借入の一覧は自分でも把握していないことが多く、書き出してみて初めて毎月いくら返しているのかが分かる、という例をよく見ます。まずこれを一枚にしてください。

「苦しくなった理由」は、正直に特定してください。ここを曖昧にすると、対策も曖昧になります。売上が落ちたのか、原価が上がったのに価格を変えていないのか、人を増やしたが仕事が増えなかったのか、設備投資が回収できていないのか。原因が違えば、打つ手も返済に回せる額も変わります。

話す順番と、話す相手

複数の金融機関から借りているなら、残高がいちばん大きい先から話すのが原則です。そこを飛ばして他行と先にまとまると、後から不信を持たれます。そして全行に同じ資料と同じ説明を使ってください。相手によって説明を変えると、必ずどこかで食い違いが出ます。

自社だけで組み立てるのが難しい場合、公的な相談の場があります。各都道府県には中小企業活性化協議会が置かれていて、返済の見直しや事業の立て直しについて相談できます。商工会議所・商工会・よろず支援拠点も入口になります。金融機関と自社の間に第三者が入ると、話が整理されやすいという実務上の利点もあります。

税金や社会保険料の滞納があるなら、その窓口へ先に行ってください。税務署にも年金事務所にも納付についての相談の仕組みがあります。ここが放置されたままだと、金融機関の側で話が止まります。

やってはいけないこと

返済のために別の借入を重ねる、特に金利の高い借入や、売掛債権の買い取りに手を出すのは、ほとんどの場合で状況を悪くします。目先の一か月は越えられますが、翌月からの負担が増えるので、次に相談へ行くときの条件がさらに悪くなっています。手を出す前に、条件変更の相談ができないか先に確かめてください。

もう一つ、金融機関に伝える数字を良く見せようとしないこと。試算表の数字と資金繰り表の数字が合わない、説明のたびに前提が変わる。こうなると、内容以前に信用の問題になります。悪い数字はそのまま出して、その代わり対策と見通しを具体的に書く。そのほうが結果的に話が進みます。

そして、社長個人の保証や個人資産の扱いについては、ガイドラインに沿った整理の考え方があります。会社の返済を止める相談と、個人の保証をどうするかは別の論点なので、混ぜずに扱ってください。制度の要件や相談の入口は、記事末尾の公式ページで最新のものを確認してください。

一次ソース(公式ページ)

制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。

よくある質問

条件変更を頼むと、その後は借入ができなくなりますか

新規の借入が当面難しくなるのは事実です。ただし、黙って延滞した場合はそれ以上に重い扱いになります。延滞は相手の記録に残り、保証協会が絡んでいれば代位弁済に進みます。条件変更は制度として想定された相談で、そこから立て直した会社はいくらでもあります。比べるべきは「相談する/しない」であって、「相談する/何も起きない」ではありません。

複数の金融機関から借りている場合、どこから話せばいいですか

残高がいちばん大きい先(メイン行)から話すのが原則です。そこを飛ばして他行と先に話をまとめると、後から不信を持たれます。そのうえで、全行に同じ資料で同じ説明をしてください。金融機関同士は状況を共有することがあるので、相手によって説明を変えると必ず食い違いが出ます。

税金や社会保険料の滞納がある場合はどうなりますか

先に、それぞれの窓口へ相談してください。税務署にも年金事務所にも、納付を分けたり猶予したりする手続きの案内があります。滞納を抱えたまま金融機関にだけ相談しても、そこが解決していない限り話は前に進みません。制度の要件と申請の入口は各官庁の公式ページで確認してください。