ホーム / 記事一覧 / 請求書発行
ガイド

請求書の手書きをやめる前に決めておく3つのこと

公開 2026-07-27 · 請求書発行

請求書ソフトを比較し始めると、機能の一覧を眺めるだけで時間が溶けます。実際に選定を早く終わらせている人は、ツールを見る前に自社の条件を3つ決めています。この記事はその3つと、決めた条件がどの機能要件につながるのかを整理するものです。

1. 誰が発行するかを決める

最初に決めるのは担当者の人数と役割です。社長ひとりが発行から入金確認までやるのか、営業が発行して経理が確認するのかで、必要な機能が変わります。

ここを曖昧にしたまま比較を始めると、承認フローの有無という大きな軸で迷い続けることになります。

2. 保存の要件を先に確認する

請求書は発行して終わりではなく、保存が伴います。電子データでやり取りした請求書の保存方法には国が定めた要件があり、対応方法を自力で用意するか、ソフトに任せるかを決める必要があります。要件の詳細と最新の取り扱いは、記事末尾の国税庁のページで確認してください。

判断の分かれ目はシンプルです。保存と検索の仕組みを自分で運用し続けられるかどうかです。運用でカバーすると決めたなら、ソフトに保存機能を求める必要はありません。任せると決めたなら、その機能がどのプランに含まれるかがツール選定の必須条件になります。

3. 相手にどう渡すかを決める

ここが見落とされがちで、あとから困る点です。取引先ごとに受け取り方の希望が違うためです。

  1. メールにPDFを添付して送る
  2. ソフトの発行するリンクから相手にダウンロードしてもらう
  3. 紙に印刷して郵送する(郵送代行を使うかどうかを含む)

取引先に一社でも紙を求めるところがあるなら、郵送代行の有無と追加費用を先に見ておきます。逆に全社がメールで問題ないなら、この軸は比較から外してよく、選択肢がかなり絞れます。

手書きをやめると変わること、変わらないこと

手書きをやめて減るのは、書き写す時間と、書き間違いの修正です。同じ取引先に毎月同じ内容を書いているなら、その時間はほぼ丸ごとなくなります。

一方で、変わらないものもあります。請求の内容が正しいかを確認する作業は残りますし、入金の確認も別の話です。取引先とのやり取り、金額の交渉、支払い条件の確認。このあたりは手書きかどうかとは関係がありません。

期待する範囲を先に確認しておくと、導入したあとの落差がありません。「請求まわりが楽になる」と漠然と考えて始めると、残った作業のほうが目についてしまいます。

過去の請求書をどうするか

切り替えても、手書きで出した過去の控えは保存が必要です。まとめて電子にする必要はありませんが、どこに何年分あるかは把握しておいてください。取引先から過去の分を聞かれたときに、探すところから始めると時間が読めません。

新しい仕組みに過去の分を入力し直す必要はありません。手間に見合いません。切り替えた日から先を電子で、それ以前を紙で保管する、という二本立てで問題ありません。境目の日付だけ、はっきりさせておいてください。

3つが決まってから、ツールを見る

手書きをやめるまでの順番1. 誰が発行するかを決める(担当が複数なら番号の重複を防ぐ仕組みが要ります)。2. 保存の要件を確認する(電子で受け取ったものは電子のまま保存する必要があります)。3. 相手への渡し方を決める(郵送が必要な取引先が残るなら、そこだけ別運用にします)。4. ここまで決めてからツールを見る(先にツールを選ぶと、決めていない要件に合わせて運用が歪みます)手書きをやめるまでの順番1誰が発行するかを決める担当が複数なら番号の重複を防ぐ仕組みが要ります2保存の要件を確認する電子で受け取ったものは電子のまま保存する必要があります3相手への渡し方を決める郵送が必要な取引先が残るなら、そこだけ別運用にします4ここまで決めてからツールを見る先にツールを選ぶと、決めていない要件に合わせて運用が歪みます

この3点が決まると、比較すべき項目は「アカウント数と権限」「保存機能の対応範囲」「送付方法の選択肢」の3つに縮みます。デザインテンプレートの数や細かな入力補助は、この3つを満たすツールが複数残ったときに初めて見れば十分です。

料金は各社が改定するため、この記事では金額を書いていません。候補が2〜3社に絞れたら、末尾のリンクから各社の公式料金ページで、自社のアカウント数と必要な機能が含まれるプランを直接確認してください。

会計ソフトを既に使っている場合は、その会計ソフトが提供する請求書機能を最初の候補に入れてください。データが自動で連携するぶん、別のソフトを足すより手間が減ることが多くあります。

取引先への伝え方

請求書の形が変わることは、事前に伝えておいてください。何も言わずに形式が変わると、相手の経理は「別の会社から来たのか」と確認の連絡をしてきます。その対応で、削減したはずの時間が消えます。

伝える内容は短くて構いません。いつから形式が変わるか、送り方は変わるのか、これまでと同じ支払い方法でよいのか。この三つが分かれば、相手は社内で処理を進められます。

番号の付け方を最初に決める

手書きの時代は番号を適当に付けていたか、そもそも付けていなかったかもしれません。仕組みに移るなら、この機会に連番の形を決めてください。あとから変えると、探すときに二つの体系を行き来することになります。

年をまたいだときに戻すのか通しで続けるのか、取引先ごとに分けるのか一本にするのか。どれでも構いませんが、決めたら変えないでください。番号は自分のためというより、問い合わせを受けたときに特定するためのものです。

始めてみて合わなければ変えてよい

最初に選んだものが合わないことはあります。請求書のソフトは会計ソフトほど乗り換えが重くありません。過去の発行の記録は書き出して残しておけばよく、取引先の登録も件数が知れています。

だから、比較に時間をかけすぎないでください。条件が三つ決まっていれば、候補は二つか三つに絞れます。そこから先の細かい違いは、実際に一か月使ってみたほうが早く分かります。無料で試せる期間があるなら、そこで自社の実際の請求を作ってみてください。

試すときは、いちばん複雑な取引先の請求書を作ってみてください。単純な一行の請求ではどれも問題なく作れます。明細が多い、値引きがある、消費税の扱いが分かれる。そうした請求が素直に作れるかで差が出ます。

一次ソース(公式ページ)

制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。

よくある質問

請求書ソフトは無料のものでも大丈夫ですか

発行できる件数や、電子帳簿保存法に対応した保存機能の有無がプランによって異なります。料金と機能の条件は各社の公式ページで確認してください。

エクセルの請求書テンプレートを使い続けてはいけませんか

発行そのものは可能です。判断が分かれるのは保存と検索の要件を自力で満たせるかどうかで、詳しくは国税庁の電子帳簿保存法のページを確認してください。

取引先に紙で送るよう求められた場合はどうすればよいですか

多くの請求書ソフトはPDF出力と郵送代行の両方に対応しています。相手ごとに送付方法を変えられるかを、導入前に確認しておくと後で困りません。