ホーム / 記事一覧 / 請求書発行
ガイド

飲食店の請求書ソフト|宴会の掛売と仕出しで選ぶ

公開 2026-09-06 · 請求書発行

飲食店の売上は、ほとんどがレジで完結する。それでも請求書ソフトを探しているなら、レジを通らない売上が別にあるはずだ。宴会のツケ、法人の月締め、仕出しの定期配達。そこだけは商売の形が卸売に近くなる。選ぶ基準も、店内飲食ではなくその部分に合わせて決める。

どの売上に請求書が必要になっているか

請求書ソフトが要るかどうかの目安宴会や法人利用を月締めで請求しているか → はい: 検討対象。締め日と宛名の統一から入る。弁当や仕出しを定期で納品しているか → はい: 毎月ほぼ同じ内容。前月分を複製できる機能を優先。商品を小売店や業者に卸しているか → はい: 取引先ごとの単価と、税率が分かれる行の区分が要る。請求は月に数件で、相手も固定か → はい: 当面は雛形で足りる。入金を確認する担当だけ決める。いずれにも当てはまらない場合: レジで完結する売上しかないなら、請求書ソフトより先にレジ締めと会計の連携を見た方が効く請求書ソフトが要るかどうかの目安宴会や法人利用を月締めで請求しているかはい検討対象。締め日と宛名の統一から入るいいえ弁当や仕出しを定期で納品しているかはい毎月ほぼ同じ内容。前月分を複製できる機能を優先いいえ商品を小売店や業者に卸しているかはい取引先ごとの単価と、税率が分かれる行の区分が要るいいえ請求は月に数件で、相手も固定かはい当面は雛形で足りる。入金を確認する担当だけ決めるいいえレジで完結する売上しかないなら、請求書ソフトより先にレジ締めと会計の連携を見た方が効く

まず、店で請求書が出ている場面を書き出してみる。近所の会社が宴会を月締めで使っている、忘年会を会社名義で請求している、施設や社員食堂の食事を受託している、弁当を毎日決まった数だけ届けている、イベント出店の売上を主催者に請求している、自家製のタレやパンを近隣の小売に卸している。ここまで並ぶと、店内飲食とは別の帳簿がもう一本動いていることになる。

件数が月に数件なら、エクセルの雛形でも回る。ソフトを入れる理由は件数の多さではなく、入金が合っているかを誰も確認していない状態を止めることにある。現金が毎日入る商売だと、通帳の残高が増えているだけで安心してしまう。掛けの一件が半年抜けていても、気づく仕組みが店の中にない。

レジの売上と掛売を、どこで分けるか

ここが飲食特有の落とし穴になる。宴会の代金を後日振込にした日でも、レジで会計を通していれば、その日の売上には宴会分が乗っている。そのあと請求書ソフトで請求書を作り、そちらも売上として会計に流すと、同じ売上が二回立つ。月次の数字が実態より膨らみ、決算前に税理士から指摘されて遡って直すことになる。

防ぎ方は単純で、掛けの売上をどちらで立てるかを先に決めるだけだ。レジに「掛」や「後日入金」のキーを作って売上はレジで立て、請求書は入金を求める書類として出す。あるいはレジでは通さず、請求書側だけで売上を立てる。どちらでもいい。決めていないと店長とアルバイトで扱いが変わり、月末に日報とレジのジャーナルを突き合わせる作業が毎月発生する。ソフトを見るときは、会計へ売上を渡す設定を切れるか、科目を分けて渡せるかを確認しておく。

宴会と法人利用の請求で差し戻されるところ

法人の経理は、明細のない請求書を落とせない。コース単価と人数、飲み放題の追加、持ち込み料、サービス料、当日のキャンセル分。店の伝票では「宴会一式」で済んでいても、請求書にそのまま書けば差し戻される。差し戻された分は相手の締め処理に間に合わず、入金が丸ごと翌月にずれる。手打ちで作り直す手間を考えれば、宴会伝票の項目をそのまま行として並べられるかどうかは、値段より先に見る点になる。

もう一つは税率が分かれる取引だ。店内の宴会と、持ち帰りの折詰めや仕出しが同じ請求書に載ると、行ごとに税率が違う。区分して合計を出す形式になっていないと相手側で計算が合わず、また戻ってくる。適格請求書の登録番号も、テンプレートに固定で入る作りかを確認する。番号を毎回手で足していると、忙しい月に必ず抜ける。記載事項の細かい部分は記事末尾の公式ページで確認できる。

入金確認が現金商売だと埋もれる理由

現金商売の通帳は、売上の入金がまとまって入る。そこに宴会の振込が紛れると、どの請求に対する入金なのか分からなくなる。しかも飲食の掛けは振込名義が崩れやすい。幹事の個人名で入る、会社の略称で入る、二次会分だけ別に入る。名義が一致しない入金は自動照合から落ちるので、結局は人が目で見ることになる。

だから見るべきは自動消込の精度より、未入金だけを一覧で出せるかどうかだ。期日を過ぎた請求が画面に残り続ければ、週に一度その画面を開くだけで督促の時期を逃さない。督促の電話は遅れるほどかけにくくなる。半年経ってから常連の会社に請求するのは、金額の問題ではなく関係の問題になる。

電子帳簿保存法で店に残る作業

請求書をPDFにしてメールで送った時点で、その控えは電子取引の記録として保存する対象になる。紙に印刷して綴じておけば足りる、という扱いにはならない。取引年月日・取引先・金額で探せる状態にしておく必要があるので、送信済みの請求書が検索できる形で残るソフトなら、そこは自動で満たせる。

忘れやすいのは受け取る側だ。酒屋、食材業者、おしぼりやリネン、デリバリーの手数料明細。これらが紙からPDFに切り替わっていくと、保存の手間は発行側より受領側に寄っていく。発行専用のソフトを入れた場合、受領した請求書は会計ソフトかストレージで別に管理することになる。事務が一人なら、受領分をどこに置くかまで決めてから入れた方が、後で二重に作業を作らずに済む。

料金の形をどう見るか

料金の形は大きく分けて、月の定額か、発行件数で変わるか、使う人数で変わるか、の三つになる。飲食は請求が月末に集中するので、件数で変わる形なら忘年会シーズンのような山の月を基準に考える。郵送を代行してもらう場合、その分は別立てになっていることが多い。金額は改定されるため、最新の料金は各社の公式ページで確認してほしい。

安さより効くのは、店長やアルバイトが触るかどうかだ。事務所のパソコンで社長だけが作るなら人数で変わる形でも問題にならない。店ごとに請求を作らせるなら、店舗が増えた分だけ費用が動く。二店舗目の予定があるなら、増えたときにどう変わるかを契約前に聞いておく。

入れる順番と、店で先に決めること

導入までにやること1. 掛けの取引先を書き出す(締め日・支払期日・宛名・担当者を一覧にする)。2. 締め日を店側でそろえる(相手ごとに合わせると請求日が分散したままになる)。3. レジと請求書のどちらで売上を立てるか決める(決めないと同じ売上が二重に計上される)。4. テンプレートを一つ作る(登録番号と明細欄を固定で入れておく)。5. 入金確認の担当と曜日を決める(未入金一覧を週に一度開く運用にする)導入までにやること1掛けの取引先を書き出す締め日・支払期日・宛名・担当者を一覧にする2締め日を店側でそろえる相手ごとに合わせると請求日が分散したままになる3レジと請求書のどちらで売上を立てるか決める決めないと同じ売上が二重に計上される4テンプレートを一つ作る登録番号と明細欄を固定で入れておく5入金確認の担当と曜日を決める未入金一覧を週に一度開く運用にする

最初にやるのは、掛けで動いている取引先を紙に書き出すことだ。締め日、支払期日、請求の宛名、担当者。書き出すと、相手の言うままに受けた結果、締め日がばらばらになっていることが多い。ここを揃えないままソフトを入れても、月末の作業が分散したままで楽にならない。

次にレジと請求書の線引きを決め、テンプレートを一つ作る。テンプレートが固まれば、宴会が入った日に伝票を書く時点で、請求に必要な情報が自然と揃うようになる。最後に、入金を誰がいつ確認するかを決める。ソフトを入れても、未入金の画面を開く人がいなければ回収は変わらない。

一次ソース(公式ページ)

制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。

よくある質問

宴会の予約金やキャンセル料は請求書にどう載せますか

予約金は受け取った時点では前受けで、宴会が済んでから売上に振り替えるのが基本の流れです。キャンセル料は、席を押さえた対価なのか損害の穴埋めなのかで税務上の扱いが分かれることがあり、店の予約規約の書き方に左右されます。判断が割れる部分なので、規約の文言を見せたうえで税理士に一度確認しておくと、あとで請求書を出し直さずに済みます。

幹事が個人で支払った宴会について、後から会社宛の請求書を求められたら

すでに現金で受け取って領収書を出しているなら、同じ取引に請求書を重ねて出すと二重の証憑になります。相手の社内精算に必要なだけなら、支払済みであることを明記した書類として出すか、領収書の宛名を会社名で出し直して個人宛の控えを回収する形が実務的です。どちらにしても、店側の控えにどう処理したかを一言残しておくと、後で問い合わせが来たときに追えます。

登録番号を持っていない店でも掛売は続けられますか

続けられます。ただし取引先の経理から番号を尋ねられる場面は増え、相手が仕入税額控除を受けられるかどうかで判断されることがあります。経過的な取り扱いも設けられているので、法人の宴会や卸を伸ばしたいかどうかも含めて決める話です。記載事項や取り扱いの詳細は記事末尾の公式ページで確認できます。