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5人以下の会社で補助金に採択された後、誰がやるか

公開 2026-09-13 · 補助金・助成金

採択の通知が届くと、社内では「通った」で話が終わりがちです。実際は逆で、手が取られるのはここからです。しかも従業員5人以下の会社には、この事務だけを担当する人がいません。社長か、経理を兼ねている誰かが、通常の仕事の合間に処理することになります。何がいつ来るのかを先に知っておくと、繁忙期と重なったときの逃げ方が変わります。

採択のメールが来た日に、何が確定して何が確定していないか

採択から入金までに起きること1. 交付申請(見積と仕様を実際に発注する内容で取り直して提出)。2. 交付決定(ここで初めて対象経費と金額が確定する)。3. 発注・契約(交付決定より前の発注は対象外になる)。4. 支払い(会社の口座から振込。控えと通帳を保管)。5. 実績報告(写真と証拠書類一式を揃えて提出)。6. 確定検査・額の確定(不備があればここで差し戻される)。7. 請求・入金(支払いから入金までは間が空く)採択から入金までに起きること1交付申請見積と仕様を実際に発注する内容で取り直して提出2交付決定ここで初めて対象経費と金額が確定する3発注・契約交付決定より前の発注は対象外になる4支払い会社の口座から振込。控えと通帳を保管5実績報告写真と証拠書類一式を揃えて提出6確定検査・額の確定不備があればここで差し戻される7請求・入金支払いから入金までは間が空く

採択は「この計画で進めてよい候補に選ばれた」という段階です。補助される額が確定したわけでも、お金が振り込まれるわけでもありません。ここを勘違いしたまま業者に「通ったので進めてください」と電話してしまうと、後で経費そのものが対象外になります。理由は単純で、多くの制度は交付決定より前に契約や発注をした分を見ないからです。

もうひとつ、申請したときの金額がそのまま通るとは限りません。交付申請の審査で、対象にならない経費が抜かれることがあります。たとえば付帯的な備品や、事業と直接結びつかない工事が落とされるといったことです。落ちた分は自己負担になりますから、資金繰りの計算は交付決定通知を見てからやり直してください。

交付申請でつまずくのは、たいてい見積の取り直し

採択後にまずやるのが交付申請です。申請時にざっくり出していた見積を、実際に発注する内容で取り直し、仕様書や型番を揃えて提出します。ここで差し戻しが起きます。申請書に書いた機械と見積書の型番が違う、相見積の金額の根拠が読み取れない、といった理由です。差し戻しは一往復で数日から週単位で止まります。業者の担当者が現場に出ていて連絡がつかない期間を含めると、思ったより長い。

電子申請のシステムでやり取りする制度が多く、ログインにはGビズIDを使います。アカウントを社長個人しか持っていないと、通知メールが社長の携帯にだけ届いて、作業する人が中身を見られません。5人以下の会社ほどこれが詰まります。誰がログインして、誰が通知を受け取るのかを、交付申請を始める前に決めてください。

この事務を社内の誰が持つか、先に決める

専任がいない会社では、事務が社長に集まります。社長が現場の主力でもある場合、書類を作っている時間はそのまま売上が止まる時間です。月に数日分の手が取られると考えて、どの仕事を誰に振り替えるかまで含めて決めておくほうが現実的です。パートの方に定型部分だけ渡す、顧問税理士に支払いの証拠書類の整理を頼む、といった分け方があります。

支援事業者や販売業者が書類作成を手伝ってくれることもあります。頼ること自体に問題はありませんが、丸投げにすると、事務局からの問い合わせに自社で答えられなくなります。実績報告のときに「この経費は何のために使ったか」を聞かれるのは事業者です。資料の原本と、やり取りの履歴だけは自社に置く。これを外さなければ、支援の使い方は会社の事情に合わせて構いません。

発注と支払いで、あとからやり直せない点

交付決定が出たら発注します。支払い方法にも条件があって、ここで落とされる会社が毎回出ます。代表者の個人カードで買った、現金で払って領収書だけある、相手先への買掛と相殺した、といったケースです。会社の口座から振り込んで、誰にいくら払ったかが通帳で追える形にしておくのが安全です。小さい会社ほど個人と会社の財布が混ざりやすいので、この案件だけは徹底してください。

証拠として後から求められるのは、おおむね次の書類です。ひとつでも欠けると、その経費が認められないことがあります。

業者が「請求書だけでいいですよ」と言っても、注文書は出してもらってください。発注日が交付決定の後だと示せるのは、たいていこの紙です。

実績報告は、日々の保管がそのまま成績になる

事業が終わったら実績報告を出します。ここで効いてくるのが写真です。設置前の状態、搬入時、設置後、稼働している様子、機械の銘板やシリアル番号。撮り忘れると後から撮り直せません。据え付けが終わって養生も外れた後に「設置前の写真を出してください」と言われても、もう無理です。工事の日は誰か一人、携帯で撮る係を決めておくだけで済む話です。

書類も同じで、締切の直前にまとめて集めようとすると必ず抜けます。振込をしたその日に控えをコピーして、案件用のクリアファイルに入れる。それだけで実績報告の作業は半日で終わります。逆に、机の上と経理ソフトと業者のメールに散らばった状態から集め直すと、丸一日かかったうえに一枚足りない、という展開になります。

入金までの間、資金をどう持たせるか

補助金は原則として後払いです。設備代は先に全額払い、実績報告を出し、事務局の検査を経て、確定した額が振り込まれます。この間、会社の口座からは出ていくだけです。5人以下の会社だと、ここに賞与や納税の時期が重なると一気に苦しくなります。発注する前に、入金がないものとして数か月分の資金繰り表を引いてください。

検査で指摘が入ると、入金はさらに後ろにずれます。書類の不備が一つあれば、その修正のやり取りの分だけ遅れる。つまり前の項で書いた保管の丁寧さは、そのまま入金日に跳ね返ります。金融機関に相談する場合、交付決定通知があると話が進めやすいので、コピーを持っていってください。

入金されても終わらない義務がある

振り込まれたら解放される、とはいきません。導入した設備には処分の制限がかかります。一定の期間は、勝手に売ったり、廃棄したり、他の用途に転用したりできません。やむを得ず処分するときは事前の承認が必要で、場合によっては補助金の一部を返すことになります。買い替えのタイミングで初めて気づいて慌てる会社が多いところです。

加えて、事業化の状況を定期的に報告するよう求められる制度もあります。売上がどうなったか、設備がどう使われているかを書いて出すものです。担当していた人が辞めた後、誰も経緯を知らないまま報告依頼が届くと、資料探しから始めることになります。案件のファイル一式は社長が持つ、これだけ決めておけば足ります。帳簿と証拠書類の保存期間も制度ごとに定められているので、詳しくは記事末尾の公式ページで確認してください。

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一次ソース(公式ページ)

制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。

よくある質問

採択された後で、やっぱり辞退することはできますか

辞退の手続き自体は用意されています。事情が変わって設備を入れないと決めたなら、放置せず事務局へ連絡してください。連絡しないまま期限を過ぎると、督促や取消の処理が入って手間が増えます。なお、規模を縮小して続ける方法(計画変更の申請)が使える場合もあるので、全部やめる前に一度聞いてみる価値はあります。

申請したときの見積業者と違う会社に発注してもいいですか

変更できる場合が多いですが、事前に事務局へ届け出て承認を得る流れになります。黙って別業者に発注し、実績報告で初めて発覚すると、その経費ごと対象外になることがあります。機種や型番の変更も同じ扱いです。相見積を取り直す必要があるかどうかは公募によって違うので、動く前に確認してください。

事務作業をコンサルや業者に丸投げしてしまって問題ありませんか

書類作成の支援を受けること自体は普通に行われています。ただし電子申請のアカウントは事業者本人のもので、ログイン情報を渡しっぱなしにすると、事務局からの通知に誰も気づかない状態が起きます。領収書や振込控えの原本管理も自社の仕事です。支援を受けるなら、誰が何をやるかを最初に紙で決めておくと後で揉めません。