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介護の個人事業主の会計ソフトは国保連入金で決まる

公開 2026-08-05 · 会計ソフト

介護の個人事業で会計ソフトを選ぶとき、他業種向けの説明を読んでも決めきれないのは、売上の入り方が普通の商売と違うからです。仕事をした月にお金は入らず、入ってきた金額は請求した金額と一致しないことがある。そして売上の中に消費税のかかるものとかからないものが混ざる。この三つに耐えるかどうかで、ソフトの向き不向きが決まります。

介護の個人事業だけ、会計ソフト選びが引っかかるのはどこか

自分の事業でどの条件が必須になるか売上の柱が国保連への介護報酬請求か → はい: 売掛金を取引先ごとに持ち、部分入金を消し込めることが必須条件になる。保険外サービスや物販、実費徴収があるか → はい: 売上科目と税区分を分けて、課税売上だけを集計できる必要がある。ヘルパーや家族に給与を払っているか → はい: 給与計算の結果を仕訳として取り込めるかまで含めて選ぶ。日中は訪問と移動でパソコンを開けないか → はい: スマホ入力とレシート撮影、前月仕訳のコピーの使い勝手を優先する。いずれにも当てはまらない場合: どれにも当てはまらないなら記帳量は小さいので、青色申告の帳簿と保存を満たす最小構成で足ります。自分の事業でどの条件が必須になるか売上の柱が国保連への介護報酬請求かはい売掛金を取引先ごとに持ち、部分入金を消し込めることが必須条件になるいいえ保険外サービスや物販、実費徴収があるかはい売上科目と税区分を分けて、課税売上だけを集計できる必要があるいいえヘルパーや家族に給与を払っているかはい給与計算の結果を仕訳として取り込めるかまで含めて選ぶいいえ日中は訪問と移動でパソコンを開けないかはいスマホ入力とレシート撮影、前月仕訳のコピーの使い勝手を優先するいいえどれにも当てはまらないなら記帳量は小さいので、青色申告の帳簿と保存を満たす最小構成で足ります。

訪問介護でも居宅介護支援でも、介護報酬の大半は国保連への請求を通って入ってきます。サービスを提供した月の翌月に請求を出し、入金はさらにその先。つまり帳簿の上では、売上が立ってから現金が動くまでに二か月ほどの空白ができます。通帳の動きだけを写していく作りの帳簿では、この空白を表現できません。年末に「まだ入っていない分」がいくら残っているかが分からず、申告の売上が実際より小さくなります。

もう一つの引っかかりは、請求した額がそのまま入らないことです。算定要件の記載違いや保険者情報のずれで返戻になれば、その分だけ入金が減って翌月以降に回ります。過誤調整が入れば、当月の入金から前月分が差し引かれた金額が振り込まれます。会計ソフト側に「請求した金額と入った金額の差を残したまま管理する」機能がないと、毎月の入金のたびに電卓で差額を出して雑収入や雑損失に逃がすことになり、一年経つと何が未回収なのか誰にも分からなくなります。

そして介護保険のサービスは消費税がかからないものが中心で、保険外の自費サービスや物販は課税になります。ここを最初から分けておかないと、課税事業者になったときに過去の売上を洗い直す作業が発生します。

請求どおりに入ってこない売上を、どう帳簿に載せるか

まず必要なのは、売上を計上した時点と入金した時点を別に扱えること。会計ソフトの言い方では発生主義での売掛金管理です。ここは無料の家計簿的なアプリだと弱いところで、通帳と連携して入金だけを売上にする作りだと、サービス提供月と売上月がずれたままになります。月末に「先月提供した分」をまとめて売掛に計上し、入金があったらそこから消していく。この二段構えができるソフトを選んでください。

次に見るのは、売掛金を相手先ごとに分けて残高を追えるかどうかです。国保連からの入金は一本にまとまって振り込まれるので、取引先を国保連としてまとめ、月ごとに請求額を積み上げていく形にするのが実務的には楽です。利用者負担分は口座振替や現金で別に入ってくるので、こちらは利用者単位か、まとめて「利用者負担金」として持つかを決めます。ここを最初に決めずに入力を始めると、途中で科目を作り直すことになり、月ごとの比較ができなくなります。

部分入金の扱いも試用のうちに確認しておくところです。請求のうち一部だけが入り、残りが返戻で翌月に回るとき、売掛の残高を一部だけ減らせるか。これができないソフトでは、いったん全額を消して差額を戻す変則的な入力になり、翌月の再請求分と混ざります。

非課税と課税が混ざる売上を、どう分けておくか

介護保険の給付対象となるサービスは消費税の非課税とされているものが多く、一方で保険外の付き添いや家事代行、日用品の販売、送迎以外の実費徴収などは課税になり得ます。どのサービスがどちらに入るかは提供内容と根拠になる制度で変わるので、自分の事業の中身で確認が必要です。ここは会計ソフトが判定してくれる部分ではありません。

ソフトに求めるのは、売上の科目を用途で分けられることと、一件ごとに税区分を指定できることです。介護報酬売上と保険外サービス売上を別の科目にしておけば、課税売上の合計が画面上でいつでも出ます。免税のうちは税額に影響しませんが、この数字を年ごとに追えるかどうかで、課税事業者になる時期を事前に読めるか、通知が来て慌てるかが変わります。

インボイスの登録をしている場合は、請求書側の運用とそろえる必要があります。保険外の売上で法人相手の取引があるなら、請求書に登録番号を載せ、その控えを会計側の売上と突き合わせられる状態にしておく。ここが切れていると、後から「どの売上に消費税を乗せたのか」を請求書の束から探すことになります。

電子で届く通知や請求データを、どこに置くか

介護の請求は伝送が中心で、支払決定額通知書のような書類も画面からダウンロードする形で受け取ります。紙で郵送されてこないものは、電子取引のデータとして保存する扱いになるため、パソコンのデスクトップに置いたままだと後で探せません。税務調査で「この月の入金の根拠は」と聞かれたときに出てこないのが、いちばん困る形です。

会計ソフト側の条件としては、仕訳や取引にファイルを添付できるかどうかを見ます。添付できるなら、入金の仕訳に支払決定額通知書のPDFを付けてしまえば、探す手間がなくなります。添付機能がない場合はクラウドストレージにフォルダを作り、日付と取引先と内容が分かるファイル名で残す運用でも成り立ちます。どちらにするかを決めずに、両方に半端に置くのがいちばん危ない。

保存の要件そのものは制度側で決まっているので、細かい条件は記事末尾の公式ページで確認してください。ソフトを選ぶ段階で見るのは、その要件を満たす置き場所を用意できるかという一点です。

訪問で外に出ている働き方に、その入力方法は合うか

一日の大半が訪問と移動で埋まっている人が、夜に自宅でパソコンを開いて一か月分をまとめて入力するのは、続きません。二か月分を溜めてから手を付けると、レシートの用途を思い出せず、按分の根拠もあいまいになります。だからスマホから入力できるか、レシートを撮ってその場で経費に落とせるかは、機能の飾りではなく続くかどうかの分かれ目です。

介護の個人事業で経費の中心になるのは、車両とガソリン、駐車場、通信費、それに自宅を事務所にしている場合の家賃や光熱費の按分です。按分は毎月同じ割合で同じ科目に振ることになるので、前月の仕訳をコピーして日付だけ変えられる機能があると、月初の作業が数分で終わります。逆に毎回一から入力する作りだと、面倒になって年末に一気にやることになり、割合の根拠を後から作る形になります。

銀行口座とクレジットカードの連携も、通帳を見ながら手で打つ時間を丸ごと消せる部分です。ただし利用者から現金で受け取る負担金は連携では拾えないので、現金の記録だけは自分で仕組みを作る必要があります。領収書控えの綴りをそのまま入力の元にするのが、いちばん漏れが少ない。

人を雇っているかどうかで、条件はどう変わるか

ヘルパーを雇っている介護事業は、経費の大半が人件費です。登録ヘルパーで働いた時間だけ支払う形だと、毎月の給与額が全員違い、源泉徴収の計算も月ごとに変わります。ここを表計算で作って会計ソフトには合計だけ入れるやり方でも回りますが、人数が増えると転記のミスが出ます。給与計算まで含めて一つのサービスで扱えるか、少なくとも計算結果を仕訳として取り込めるかを確認してください。

家族に働いてもらっている場合は、専従者給与として扱うかどうかで届出と記録の仕方が変わります。会計ソフトの科目上も別に立てておかないと、申告書を作る段になって内訳が出せません。反対に一人で回している事業なら、給与関係の機能は当面使わないので、そこに費用を払うかは考えどころです。料金の考え方はサービスごとに違うので、最新の内容は公式ページで確認してください。

人を雇うと労働保険や社会保険の支払いも毎月・毎年発生します。これらは経費の科目が分かれるので、最初に科目を作って毎月同じところに落とす習慣にしておくと、年末に法定福利費をかき集める作業が消えます。

最後の決め手は、先月分を通しで入れてみたときの手触り

個人事業主向け 最安プランの年額freee会計 スターター 11,760円、やよいの青色申告 オンライン セルフプラン 11,800円、マネーフォワード クラウド確定申告 パーソナルミニ 10,800円個人事業主向け 最安プランの年額 (税抜)freee会計 スターター11,760円やよいの青色申告 オンライン セルフプラン11,800円マネーフォワード クラウド確定申告 パーソナルミ10,800円
出典: freee会計(個人事業主向け) / やよいの青色申告 オンライン(個人事業主向け) / マネーフォワード クラウド確定申告(個人事業主向け)(2026-07-27 時点に公式ページで確認)。制度・料金は改定されます。最新は公式ページをご確認ください。

候補が二つか三つに絞れたら、無料で試せる期間のうちに先月一か月分を丸ごと入力してみてください。読み比べで決めるより速いし、確実です。見るのは、国保連の入金一回を消し込むまでに何回画面を移動したか、返戻分を残したまま入金を処理できたか、保険外の売上に税区分を付けるのが何手だったか。この三つで詰まるソフトは、一年使っても詰まり続けます。

もう一つ、決算と申告の画面まで進めるかを確認します。日々の入力が快適でも、確定申告書や青色申告決算書の出力で手が止まると、結局その部分だけ別の方法を探すことになります。青色申告で必要な帳簿と保存の考え方は制度側で決まっているので、記事末尾の公式ページで自分の申告の形に必要なものを見てから、ソフトの出力と照らしてください。

すでに何かのソフトや表計算で記録している人は、切り替えのタイミングを年の途中にしない方が楽です。売掛の残高を引き継ぐ作業が発生するため、年をまたぐ区切りに合わせて動くと、未入金の一覧を作るついでに移行が終わります。途中で替えるなら、旧い方の残高を紙に印刷して手元に置いてから始めてください。

一次ソース(公式ページ)

制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。

よくある質問

開業したばかりで国保連への請求がまだ始まっていない時期の支出は、どう記録すればいいですか。

事業を始める前に払った備品代や研修費、車両関係の費用は開業費としてまとめて記録しておき、開業後に経費へ振り替える扱いが一般的です。会計ソフトを入れる前に払ったものはレシートを月ごとに封筒で分けておけば、後から入力しても順番が崩れません。青色申告をするなら届出の期限が決まっているので、記帳を始めるより先に提出状況を確認してください。

国保連からの入金が請求額と違ったとき、差額はいつの日付で処理しますか。

返戻や過誤調整は、原因が分かった時点ではなく入金や調整が確定した時点で記録するのが実務としては続けやすいです。ただし年末をまたぐと売掛金の残高が申告書に影響するため、締めの前に未入金の一覧を印刷して、再請求予定のものと取り下げるものを分けておいてください。判断に迷う金額が残るなら、税理士に相談する材料としてその一覧をそのまま渡せます。

保険外の自費サービスや訪問マッサージだけで営んでいる場合も、同じ条件で選んでいいですか。

売上の入り方が変わるので条件は変わります。国保連経由の売掛が中心でないなら、入金の消込よりも利用者ごとの請求書発行と回収管理のしやすさが優先になります。一方で課税売上の割合が上がるため、消費税の判定と区分の付け方は保険サービス中心の事業より早く問題になります。