freeeからマネーフォワードへ替えるならいつか
freeeからマネーフォワードへの切り替えは、移すかどうかより「いつ移すか」で作業量が変わります。同じ内容でも、期首にやれば半日で終わることが、決算直前にやると二週間引きずる。ここでは時期を決めるための条件を先に置いて、今動く場合、待つ場合、動かない場合に振り分けます。
何に困って切り替えを考えているのか
まず理由をはっきりさせてください。ここが曖昧なまま移すと、移行の手間だけ払って同じ不満が残ります。よくあるのは、料金の更新案内を見て高いと感じた、顧問税理士がマネーフォワードを使っていて毎月データのやり取りに手間がかかっている、給与や勤怠を同じ系列でそろえたい、入力の流れが自社のやり方と合わない、のどれかです。
理由ごとに、適切な時期は違います。料金が理由なら契約の更新時期に合わせるのが自然ですし、税理士の都合なら決算が終わった直後、他システムとの連携が理由なら連携先の入れ替えと同時に動かすのが手戻りが少ない。逆に「なんとなく使いにくい」だけが理由のときは、切り替えても入力の担当者が変わらない限り不満は残ります。その場合は、いまのソフトの中で科目やルールを整理し直すほうが早いことがあります。
時期を決める前に確かめる四つのこと
切り替え時期の見当をつける前に、社内の状況を確認します。ここを飛ばして日付だけ決めると、移行の当日になって「請求書は先月分がまだ出ていない」「経費精算をパートさんが使っている」と判明して止まります。
- 今期の決算と消費税の申告が、どこまで進んでいるか
- freeeで作った請求書、アップロードした領収書や契約書を、どこに保存するか
- 給与・勤怠・レジ・ECなど、freeeとつないでいるサービスがあるか
- 記帳を誰がやっていて、その人が新しい画面を触れる時間があるか
四つ目を軽く見ないでください。会計ソフトの移行で一番詰まるのは、データではなく人です。経理を兼務している社員が一人でやっている会社では、移行作業と月次処理が同じ週に重なると、どちらも中途半端になります。繁忙期を外すだけで、事故はかなり減ります。
期首に移すか、期の途中で移すか
原則は期首です。理由は単純で、一つの事業年度を二つのソフトに分けると、その期の試算表を通しで見られなくなるからです。銀行に決算の途中経過を出すときも、前半と後半を別々に印刷して手で足すことになる。消費税の集計も分断されるので、課税事業者であれば特に避けたい。
期の途中で移すなら、期首までさかのぼって入れ直すのが基本の形になります。取引の件数が少ない会社、たとえば銀行口座もカードも一つずつで、月の仕訳がそれほど多くない会社なら、さかのぼって入れ直しても数日で終わります。逆に、店舗ごとに現金売上があって、部門でも分けているような会社は、入れ直しの負担が大きい。この場合は無理をせず次の期首まで待ち、その間に科目の整理と証憑の保存だけ進めておくほうが結果的に早く終わります。
今すぐ動いたほうがいい場合
期首を過ぎたばかりで、まだ仕訳が数えるほどしか溜まっていないなら、迷わず今です。期首から入れ直しても手間はほとんどかからず、待てば待つほど入れ直す量が増えます。開業や法人成りの直後も同じで、この時期に決めておくと後で移す理由がなくなります。
もう一つは、freee側の契約更新が近いときです。更新してしまうと、次の見直しまで料金が固定されるので、切り替えるつもりなら更新のタイミングに合わせて動くほうが無駄が出ません。ただし、更新日に追われて決算期の途中で強引に移すのは本末転倒です。更新の条件と、期首がいつ来るかを並べて、どちらを優先するか決めてください。給与や勤怠を先に別のサービスへ替えることが決まっている場合も、会計を同時に動かしたほうが連携の設定を一度で済ませられます。
待ったほうがいい場合、動かないほうがいい場合
決算期末が近い、あるいは決算作業と申告が終わっていないなら、その間は触らないでください。決算のさなかにソフトを替えると、税理士に渡すデータの形式が途中で変わり、残高の突き合わせを二度やることになります。年末調整や確定申告の直前も同じで、期限のある作業と重ねる意味はありません。
切り替えないほうがいい会社もあります。freeeの請求書や経費精算を営業や現場の社員まで含めて日常的に使っている場合、会計だけ移しても運用が二つに割れます。全員の使い方を作り直す覚悟がないなら、会計だけ動かす判断は保留したほうがいい。もう一つは、記帳を税理士事務所に任せていて、事務所側がfreeeで作業している場合です。この場合、こちらの都合で替えると事務所の作業が増え、報酬や対応範囲の話に戻ります。替える前に事務所へ相談してください。
料金差で動くとき、どこを比べるか
料金が動機なら、会計単体のプラン料金だけを見比べても判断できません。実際に払っているのは、会計に請求書、経費精算、給与などを足した合計で、どこまでが一つの契約に含まれるかは各社で組み立てが違います。いま自社が使っている機能を紙に書き出して、それを新しい側でそろえるといくらになるかを、年額で並べてください。
加えて、人数やユーザー数で料金が変わる部分があるかを見ます。今の従業員数では安く見えても、採用が続けば逆転することがある。税理士に見てもらうためのアカウントの扱いも、事務所側で契約するのか自社で用意するのかで変わります。プランと料金は改定されるので、最新の内容は記事末尾の公式ページで確認してください。
移行の週に何をするか
段取りは決まっています。まず旧側で期首または移行日時点の残高を確定させ、試算表を印刷して手元に置く。次に仕訳と取引先、科目のデータを書き出します。新しい側では科目の対応づけをしてから開始残高を入れ、印刷しておいた試算表と一円単位で合うかを確認する。ここが合わないまま先へ進むと、決算のときに原因を探して丸一日潰れます。
そのあと銀行やカードの連携を登録し直します。連携の設定と自動仕訳のルールは持っていけないので、明細を取り込んだ直後は科目が空のまま並びます。最初の一か月は手で埋める前提で予定を組んでください。旧側は、すぐ解約せずに一定期間は残しておくのが無難です。過去の証憑や請求書の控えを取り出す必要が出たときに、契約が切れていると詰みます。どのデータがいつまで見られるかは契約によるので、解約の前に確認してから止めてください。
一次ソース(公式ページ)
- freee会計(法人向け) — 料金ページ(2026-07-27 確認)
- freee会計(個人事業主向け) — 料金ページ(2026-07-27 確認)
- freee 公式サイト
- マネーフォワード クラウド会計(法人向け) — 料金ページ(2026-07-27 確認)
- マネーフォワード クラウド確定申告(個人事業主向け) — 料金ページ(2026-07-27 確認)
- マネーフォワード クラウド 公式サイト
制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。
よくある質問
期の途中で移した場合、決算書はどちらのソフトで作ることになりますか
原則は移行後の側に期首までさかのぼって入れ直し、一本にまとめます。二つのソフトに分けたまま決算を組むと、内訳明細や消費税の集計が片方にしか存在せず、突き合わせを手作業でやることになります。顧問税理士がいる場合は、申告書をどちら側のデータから作るかを移行前に確認してください。
freeeを解約したあと、過去の帳簿や保存した証憑は見られますか
解約後にどこまで閲覧できるかは契約状態やプランによって変わるので、解約手続きに入る前に自社側へダウンロードしておくのが安全です。仕訳だけでなく、請求書のPDFやアップロードした領収書の画像も対象になります。電子で受け取った取引データは保存の要件を満たす形で残す必要があるため、保存場所と検索方法を決めてから解約してください。
freeeで育てた自動仕訳のルールや学習内容は引き継げますか
引き継げない前提で計画してください。移行直後は明細から科目が自動で埋まらず、最初のうちは一件ずつ指定し直す作業が発生します。事前に取引先名の表記ゆれを整理しておくと、新しい側でルールを作るときに一度で済みます。